千年村プロジェクトも参加します。→早稲田まちづくりシンポジウム2017 7月16日(日) 10:00-18:00


machidukuri2017flyer.jpg

長期にわたって持続する優れた生存立地を見つけ、学び、交流を促す千年村プロジェクト。4年間の文部省科学研究費によって、その目標を千年村の発見方法、現地調査、評価方法、交流というステージによって展開してきました。もちろん来年からもその活動をさらに活発化させ、よりオープンなものにするために、現在、参加のための各種レギュレーション作りにいそしんでいます。

今までオーソライズされたものが
千年村ロゴについて
千年村憲章 / Millennium Village Charter
千年村行動倫理 / Millennium Village Behavioral Ethics
千年村認証基準 / Millennium Village Certification Standard
千年村チェックリスト / Millennium Village Check list for Registration
特に千年村チェックリストはぜひダウンロードして、お住いの地域の自己評価に使ってみてください。これまでの訪問で学んだノウハウを詰め込んでいます。

あとは
千年村プロジェクトへの参加方法
千年村認証までの流れ
千年村の認証を希望する地域の方々へ
を残すのみとなりました。現在、本当に認証希望のあった地域に応じる形の初の認証作業を行ない、モデルケースとしています。またこれら千年村プロジェクトに参画いただくためのガイドラインも作成中です。

もちろん、プロジェクトメンバーによる千年村候補地見学キャラバンも楽しみの一つで、今年は5月後半に、茨城県の筑波山まわりの集落を見て回りました。企画いただいた千葉大学木下研究室の皆様、そして現地で出会った方々にお礼申し上げます。

さて今年度は交流の年、千年村も関係するフォーラムをいくつか行う予定ですが、その一弾が発表されました。

地域の持続のかたちを考える−千年を生き続けた知恵を活かし、ふるさとの暮らしを未来につなげるために−

地方の小都市や農山村の生き残り策が活発だ。地域おこし協力隊、ふるさと納税、移住定住促進、地域紹介動画でのアピール。あるいは世界遺産や日本遺産、重要文化的景観といった価値評価への熱も高い。これらは加速する人口減少と超高齢化による地域存続の危機感に根ざしている。一方こうした地域とは、遡れば数百年、ときに千年にわたって人々が生活を営み続けてきた場所でもある。環境に適合しつつ改変することで生計を立て、コミュニティを形成して人々は生き続けてきた。伝統的集落や農山村で出会う風景と人、つまりふるさとの魅力は、その延長線上にある。本シンポジウムでは、中山間地域を主たる対象として、今現在かろうじて存続している生きる力に満ちた地域の価値と知恵を読み取り、未来につなげていくための地域づくりの実践知を議論する。短期的競争による生き残りではなく、地域の真の価値に根ざしたプライドある主体による、ダイナミックな地域の持続のかたちを考えていきたい。

早稲田まちづくりシンポジウム2017実行委員長 佐々木葉

千年村プロジェクトのみならず、将来の地域づくりをどのように行うかの実践を、まずはアカデミックに検討していくシンポジウムに参加いたします。ぜひ皆様のご来場をお待ちしております。

第二段目は、これまでに出会った村、地域の方をお呼びして大きな寄り合いのような大会議を開いてみたいと思っています。各地の収穫後、秋頃になると思います。まずは第一段目にご参加ください!

カテゴリー: Uncategorized | コメントをどうぞ

2013年プレート境界の旅のほぼ全て写真再公開


『動く大地、住まいのかたち プレート境界を旅する』が発売中です。

本書のあとがきにも記したように、ブログ内で全旅行の写真で公開可能なものはグーグル社のPicasaアルバムで全て公開していました。最近それらのデータ全てが Google photoにGoogleの仕様変更で移行されてしまい、全ての公開リンクが切れてしまいました。暫定的に元永二朗様から公開可能な方法をご教示いただきましたので再度公開します。

ただし、以前は同時に表示されていた位置情報が見えなくなっています。それから日付の並びがおかしいです。おおよその地名と訪問日はわかります。地域を確認したい場合に、不十分ですが、ご活用ください。

https://get.google.com/albumarchive/108551454693342851793

カテゴリー: "On the Edge Tour 2013", Uncategorized | コメントをどうぞ

新刊『動く大地、住まいのかたち−プレート境界を旅する』3月25日発刊


(追記)無事刊行されました。→岩波書店内のリンク(冒頭部の立ち読みもできます) 281685.jpg

2013年に行ったユーラシアプレート境界をインドネシアからジブラルタルにまでいたった調査旅行。雑誌『科学』での連載を経て、3月25日に岩波書店から発刊されます(予価2808円(税込))。本日再校を放しました。あとはうまく書物になってくれることを願うばかりです。著者判断で、あとがきを掲載します。本書の成り立ちを書きました。

IMG_5535.JPG

あとがきに代えて

偶然に多く出会う旅をすることは幸せなことである。そのためには、何か大きなテーマを持っていたい。プレート境界を旅するというアイデアを獲得したことは幸運だった。その発端は文中でも記した通り、防災学者の友人が講演中に発した一言を2011年の東日本大震災発生時に思い起こしたからだった。牧紀男という人物である。その発端が示すように、この旅は各地に関する先達や友人の助力によって実現した。

旅は大きく4つの範囲に分けて、日本国内での準備と現地訪問を繰り返した。2013年の1月から一ヶ月をインド・ネパール、同2月後半から3月までをイラン、5月から6月までをトルコから、キクラデス諸島、ギリシャ、イタリアのシチリア、チュニジア、そしてジブラルタル海峡のあるモロッコまでぬけた。そして7月から9月までをインドネシア諸島を訪問し、マレー半島に到達して旅を終えたのだった。
インドの寄宿先となってくれたジャガン・シャー(Jagan Shah)は、ニューデリーの都市政策を担う専門家であった。灼熱のドーラヴィーラや早逝した友人の建築家の足跡を訪ねてダージリンへ一緒に旅をした。
ウッタラカンド州の小さい村への訪問を勧めてくれたのは、インドのアトリエ設計事務所のスペースマターズ(Space Matters)の気鋭の女性建築家たちである。また彼女たちに紹介された建築科の学生シュビ・アガルワル(Shubhi Aggarwal)が同地の実測作業に参加してくれたおかげで得た情報や経験は大きいものだった。
ネパールでカトマンズの歴史と街の成り立ちを教えてくれた建築家カイ・ワイズ(Kai Weise)は、2015年のネパール地震で倒壊した歴史的建造物の修復に躍起になっている最中だろう。
はじめての訪問地であったイランの経験を実り多いものにしてくれたのは、旅に同行してくれたイスラーム建築研究者の深見奈緒子だった。後述する佐藤浩司、テヘラン大学で建築修復学を学んでいた奥山岳典が参加し、分野の異なる同行者たちの会話によって認識は広げられていった。
トルコ各地の旅行計画は、現地の若い建築家たちのサポートによって可能になった。特に前半を一緒に旅したイェルタ・コム(Yelta Köm)やシリア国境に面するマルディン-天国のように美しい街-にある建築学校Mardin Artuklu Universityの教員スタッフからのサポートがあった。トルコを旅立った直後にイスタンブールで反政府デモが発生した。その頃からまた世界の雰囲気が変わりはじめていた。その影響をかわすように旅は西に続いた。
ギリシャ・マルタの古代文明の石造をめぐる旅は、既に同じテーマで一緒に旅をしていた原始文明研究者の若手の酒井智幸が同行した。石の重さを確認する旅は彼の同行によってより確固なものとなった。
シチリアで発生した地震後の復興地の訪問では、同地の若い建築家セレナ(Serena Casamento Barbitta)が目的に賛同して積極的に動いてくれた。それによってシチリアの社会構造上の問題まで突き当たることができた。また彼女や先のトルコの建築家ネットワークを紹介してくれたのがオランダ在住の建築家・吉良森子である。
チュニジアからモロッコでの経験を知的成果で裏打ちしてくれたのは、地中海建築・都市研究の第一人者である陣内秀信、新井勇治である。またモロッコのフェズで活躍中のアーティストの松原めぐみからは、フェズの様々な階層の人々の暮らしぶりを深く教えてもらった。
最も長期にわたったインドネシア諸島訪問に際して、同地の少数民族の伝統的住居を長年研究してきた佐藤浩司の同行を得たことは、深見の場合と同じく幸運だった。彼によって鍛えられ、インドネシアだけで相当量のノートを書き溜めた。さらにインドネシアの現代都市を研究していた林憲吾の参加によって、多角的な視点から、眼前に広がる人間の場所の意味を検討することができた。
そして道を尋ねるわたしたちに心広く対応してくれた土地の人々がいた。
思い出すのは、激しい風景を一緒に経験したそんな人々の姿や声である。

この旅の報告は、事前勉強と現地ノートとGPSと現地で撮影した写真、動画記録、帰国後の文献調査に基づいている。特にGPSによって自分の足跡が後から復元可能になったことで、直観を優先して調査することができた。
通信事情の悪い現地から自分のブログにアクセスできるときは可能な限り更新した。旅程を示すGPSやウェブ用に加工した位置情報つきの写真データ約5万枚は公開した。実際、頻繁にまとめておかないと、この旅の記録はおもいがけない出来事で消滅してしまう可能性もあったからである。
帰国後、私からの相談を受けとめてくれたのが、岩波書店の伊藤耕太郎氏である。伊藤氏は、雑誌『科学』の田中太郎編集長に相談してくれ、田中氏は歴史あるその雑誌に連載を決めてくれた。幸運なことで、その結果コンスタントに書き進めることができた。特に地質などについてにわか勉強であったので、読者の方々からの指摘を待つことにした。今後ともぜひご指導ご叱咤をいただければと思う。当方の乱筆乱文を指導し、品格ある書籍にしていただいたのは高村幸治氏、本書に含まれるたくさんの情報を的確に形にしていただいたのは前田耕作氏である。

最後になるが、留守宅を維持してくれた家族、授業を肩代わりしてくれたり、旅行中に励ましのメッセージを送ってくれた友人、指導教員の不在が功を奏してたくましくなった学生たち、そしてこの特別研究に対して活動資金の一部をサポートしてくれた勤務先の大学に深く感謝したい。

2017年2月21日 中谷礼仁

  • タイトル:動く大地、住まいのかたち−プレート境界を旅する
  • 内容紹介:動く大地はユーラシアのプレート境界域に何をもたらしたか。環境を創造し、時に社会を壊滅させる地球の驚異的な働きと、その地で生き抜く人々の叡智と暮しを活写。人間生存の条件を捉え直した類を見ない建築論的旅の記録。[カラー写真多数]
  • 目次:プレート境界の旅 全旅程図I Buildinghoodへの気づき | インド、ネパール
    1 土地のかたち、人の住まい
    2 パンゲアのかけら
    3 溜まる街

    II 建築の父、建築の母 | イラン
    4 火山によって支えられた住まい
    5 建築の父、建築の母
    6 境界を越えて

    III 石の重さ | ギリシア、マルタ
    7 巨人から人間へ
    8 石と遊ぶ

    IV グローバライゼーションとつきあう方法 | トルコ、イタリア、シリア、チュニジア、モロッコ
    9 カッパドキアでの生活
    10 シチリア・ベリーチェ 一九六八/二〇一三
    11 ワールズエンドの風景

    V 人間の場所 | インドネシア
    12 死と大地
    13 大地から縁を切ること
    14 人間の場所

  • 単行本: 256ページ+α
  • ISBN-10: 400022235X
  • ISBN-13: 978-4000222358
カテゴリー: "On the Edge Tour 2013", Publications | コメントをどうぞ

『モダニスト再考[日本編]』書籍化なる


あの特集は書籍化しておいたほうがいいなと思うことがたまにあります。『建築文化』(1946年4月〜2004年12月)彰国社もいくつもの名特集を生み出してきました。2000年1月号の特集「日本モダニズムの30人 モダニスト再考II 国内編」もその一つです。同雑誌の晩期のなかでもとりわけ骨太の特集でした。あれからもう17年もたちますが、嬉しいことか悲しいことか、今でも全然古びず、基本文献の一つとして私の書棚に入っておりました。だいぶくたびれたなあと思っていたら、単行本化の知らせを聞き思わず頷きました。30人の対象を21人の論者が語ります。

IMG_5712.JPG

左が新刊、右が元の特集

彰国社えらいです。収録論考は

中村達太郎 亀裂の保存(中谷礼仁)/佐野利器 都市・テクノロジー・ナショナリズム(田所辰之助)/角南隆 技術官僚の神域 機能主義・地域主義と〈国魂神〉(青井哲人)/藤井厚二 藤井厚二という不安(丸山洋志)/今和次郎 ノート〜「日本の民家」を中心として(中谷)/アントニン・レーモンド 表現と表象(南泰裕)/村野藤吾 「社会的芸術」として構想されたもうひとつのモニュメンタリティの射程(矢代真己)/小山正和 日本的モダニズムの雑誌編集人(川嶋勝)/上野伊三郎 さまよえる建築工芸(奥佳弥)/石本喜久治 「建築美」、その転換という作為(本多昌明)/山田守 形態の誘惑ーあるいは禁欲的エロティシズム(濱嵜良実)/吉田五十八 本音と建前(岡崎乾二郎)/蔵田周忠 日本モダニズムの「水先案内人」(矢本敦)/森田慶一 IMITIATIO CORBVSIERI-分離派から古典主義へ(青井)/堀口捨己 「どうしようもないもの」の形容矛盾(田中純)/石原憲治 全体性を回復する回路をつなぐ「社会技術」という視座(矢代)/今井兼次 ドキュメンタリーのモダニズム(濱嵜)/伊藤正文 反転する純粋技術(笠原一人)/土浦亀城 迷いなく駆け抜けること(岡田哲史)/岸田日出刀 丹下健三を世に送り出した男(五十嵐太郎)/佐藤武夫 建築の政治性と記念性(田中禎彦)/山越邦彦 「建築 ルート・マイナス1建築→構築」という冒険(矢代)/坂倉準三 他者による建築はどこまで他者的であり得るか(南)/川喜田煉七郎 ユートピア-アヴァンギャルドの往還(梅宮弘光)/山口文象 「実践へ」(田所)/谷口吉郎 転向の射程(八束はじめ)/白井晟一 伝統のパラドックス(とーベン・バーンズ)/前川國男 木村産業研究所という出発点(松隈洋)/小坂秀雄 「体系」の刻印(田所)/丹下健三 神話的「日本」と「計画の王国」(八束)

今、対象と論者をタイピングして、このころの日本の建築文化、元気あったなあという感じがしました。中村達太郎、角南隆 …日本のモダニズムにとって核心の人物の一人ですが、決して一般向けではありません。それはわかりつつ、やはり出すべき人は出そうという、編集者と執筆者の意気込みが込められております。編集者はあの時も、いまも内野正樹さん(現エクリマージュ主宰)です。

  • 単行本(ソフトカバー): 424ページ
  • 出版社: 彰国社 (2017/2/28)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4395320864
  • ISBN-13: 978-4395320868
  • 発売日: 2017/2/28
カテゴリー: Publications | コメントをどうぞ

一年の計は元旦にあり


一年の計は元旦にあり
一年之計在春
New Year’s Day is the key to the year.
皆様のご多幸を祈念いたします。I wish you a happy new year.

“A year is surely valid-it contains the round of the seasons. Many sorts of work fit into its span. The human frame ages perceptibly in a year, and forward plans in any detail are put forth year by year.
…The decade is only a decimal position in the century. Both the decade and the century are arbitrary intervals rather than working durations.”

George Kubler, from section’Periods and their lengths.’ 1962

「季節がめぐる1年、その単位は確かなものである。人の活動の多くはこの時間によりそっている。1年で人は目に見えて年をとり、計画の詳細も年ごとに決められていく。
…10年は計画するには長すぎ、十分な記録を残すには短すぎる。10年は、1世紀を10進法で区切ったものに過ぎない。10年も1世紀も、実際の活動期間を表しているのではなく、恣意的に切り取られた間隔である。」

ジョージ・クブラー, 1962

;)

〜ジョージ・クブラーは著作『時のかたち』*(近刊予定)の中で、事物のかたち自体に変わりゆくリズムがそなわっていることを提言しています。それはモノの作り手であるヒトとも関係づけられたものです。様々な「時のかたち」が錯綜する昨今ですが、クブラーの言葉から事物のリズムをいくつか紹介し、年始の挨拶とさせていただきます。一年の計が元旦にあることはゆるがなさそうです。〜

One year,
1年:
季節のめぐり

Indiction,
15年:
古代ローマの時間単位のひとつ:
人間の幼年期、思春期、青年期、壮年期、老年期を画期する時間単位:
うち後半60年が芸術的活動期

doubled 60-year durations,
対の60年(=120年):
技術革新における前半(形成期)と後半(組織的応用期):
紀元前510年を境としたギリシャの壺絵の革新期、
4から5世紀にかけてのマヤの彫刻、
12世紀ゴシックの発展期、
14世紀ルネッサンスの展開期、
1650年以降の日本の木版画、
19世紀のスカイスクレイパーの発展

Near three centuries,
およそ300年:
ひとつの文明社会でつくられた主要な形の持続期間

from ‘The indiction as module’, “The Shape of Time”

*”The Shape of Time: Remarks on the History of Things” by George Kubler, 1962

Style:

“Wave Cycle,” drawing by Ad Reinhardt, undated. Courtesy the Ad Reinhardt Foundation.

カテゴリー: Uncategorized | コメントをどうぞ

一般公開特別講義・野老朝雄・「個・律・群」・2016年11月23日午後2時30分より


tokololecture1123

特別講義(一般公開)

INDIVIDUAL AND GROUP 個・律・群

・講演者プロフィール:野老朝雄 Asao TOKOLO
1969年生まれ。幼少時より建築を学び、江頭慎に師事。2001年9月11日より「繋げる事」をテーマに紋様の制作を始め、美術、建築、デザインの境界領域で活動を続ける。単純な幾何学原理に基づいて定規やコンパスで再現可能な紋と紋様の制作や、同様の原理を応用した立体物の設計/制作も行っている。
2016年~東京大学工学部非常勤講師、東京造形大学客員教授

・日時:2016年11月23日(水)14:30~17:30(14:00開場)

・場所:東京都新宿区大久保3ー4ー1 西早稲田キャンパス56号館103教室
(東京メトロ副都心線西早稲田駅直結、JR/西武新宿線/東京メトロ東西線 高田馬場駅より徒歩15分)
アクセス詳細;access: https://www.waseda.jp/top/access/nishiwaseda-campus

・お問い合わせ:早稲田大学西早稲田キャンパス55号館N棟8F-9
中谷礼仁研究室 担当:野村 03-5286-2496

・後援:早稲田大学建築学研究所

*建築学科の学生の1年生に建築周辺の生き様を伝え、業界病に備える設計演習Aプロデュース・特別公開講義。本年度は野老朝雄さんを迎えて3時間のセッションです。一般公開になります。楽しい講義になるように努めます。ご来場をお待ちしております。少し会場がせまめ(240人収容ですが)ですのでご容赦願います。

カテゴリー: Events, Lectures | コメントをどうぞ

中村敏男先生がご逝去されました。御冥福をお祈りします。


今月17日、かねてより療養中でした初代『a+u』編集長・中村敏男氏が逝去されました。ご冥福をお祈りします。
公私にわたりよくご指導いただきましたこと、記して今一度御礼申し上げる次第です。

Friends –
Mr. Toshio NAKAMURA passed away at October 17th, 2016.
Mr. “TOSHI”, Toshio NAKAMURA was one of founder and otiginal chief editor of architectural magazine “a+u”. Moreover he translated many principal  architectural texts throughout  his life.
His contribution to architectural world is worth to be always remembering. Many thanks, Mr. NAKAMURA with his brilliant memories.

長谷見雄二先生による第19回稲門建築会特別功労賞受賞時の、すがすがしい推薦文をここに掲載させていただきます。

中村敏男氏は、1958年『近代建築』編集部に入社して当時初期段階にあったグループ・メタボリズムの初の特集を編集担当(1960年11月号)した後、鹿島出版会に移籍してSD選書を企画。更に1970年には日英併記の世界的規模の建築雑誌『a+u』の初代編集長となり、当時新進建築家だったシーザー・ペリ、ノーマン・フォスター等をごく初期に特集紹介するなど、歴史的慧眼に裏打ちされた多くの問題提起的書籍を発刊し、現代の日本および海外の建築文化を活性化させてきた。

一方、西欧諸国の特に近代初期の重要文献を和訳して日本に翻訳紹介したことも、日本における近代建築の理解と咀嚼、深化に多大な貢献であった。
中村氏の業績、見識には国際的な評価も高く、89年アメリカ建築家協会名誉会員、90年英国王立建築家協会名誉会員に選ばれ、91年、プリツカー賞の審査員となり、9年間、三期に渡って審査員をつとめられた。96年AIA名誉賞等を受賞するなど世界的評価の高さに比べ、国内ではその重要性が十分、認識されてこないまま、今日も、近代建築理論の研究に余念のない姿勢は、いかにも早稲田人らしい清々しさである。

これから育っていく早稲田建築の人材の目標としてふさわしい国際人として稲門建築会特別功労賞に推薦申し上げる次第です。

(長谷見雄二・早稲田大学建築学科)

略歴)
1931年 東京・王子生まれ
1958年 『近代建築』編集部、初めてのメタボリズム・グループ特集号(60年11月)
1963年 鹿島出版会、SD選書を企画発刊
1970年 「a+u社」を設立し、翌71年発刊より取締役編集長(95年まで)。
1989年 アメリカ建築家協会名誉会員
1991年 プリツカー賞審査員(2000年まで)
1996年 AIA名誉賞受賞
2010年 日本建築学会『建築雑誌』顧問(2011年まで)

主な業績)
1966年 G.F.チャドウィック「ジョセフ・パクストンの生涯」(Space Modulator,No.24,日本板硝子)
1967年 ピーター・コリンズ「近代建築思潮」(『国際建築』美術出版社にて翻訳掲載)
1969年 ハンス・マリア・ウィンケラー『バウハウス』(田中正雄、横山正と共訳、造形社刊)
1982年~3年 スティーヴン・ベイリー『建築からインダストリアル・デザインまで、1900-1960』の全訳掲載(「Art Vivant」西武美術館)
2003年 ケネス・フランプトン『現代建築史』(青土社)
2006年 アンソニー・ヴィドラー『歪んだ建築空間』(青土社刊)
2006年 ピーター・ブランデル・ジョーンズ『モダニズム建築』(風土社刊)
2007年 Toshio Nakamura編 ”Glass House” (YKK AP刊、The Monacelli Pre ss 2007)
2015年 中村敏男『日記の中の建築家たち』(acetate2015年)
そのほか『a+u』誌上では、ケネス・フランプトン「ジョン・ヘイダック論」、ジョン・ヘイダック「時間から空間へ」(75年5月)、コーリン・ロウ「透明性I」(74年7月)等、小論文の翻訳多数

nkmura

中村敏男氏による代表的編集ならびに著作:上左)近代建築1960年11月号「グループ・メタボリズム」上中)SPACE MODULATOR (The Work of Sir Joseph Paxton”抄訳1966年No.24)上右)a+u創刊号(1971年1月)下左)ポストモダニズムの建築言語(a+u1978年10月臨時増刊号・翻訳竹山実)下中)GLASS HOUSE(編著2007年)下右)中村敏男『日記の中の建築家たち』(acetate2015年)

カテゴリー: Uncategorized | コメントをどうぞ

過去の人間も間違い、そして今後も人間は間違い続ける–「千年村憲章」を公開しました。


当方も参加している、長期にわたって存続した地域を、古文書という客観的な媒体を用いつつ直接訪問することによってその生存条件を探る千年村プロジェクト

その未来に向けての方向性をまとめた千年村憲章(Millennium Village Charter)が本拠のホームページから発表されました。十全な討議を経た上での公開です。

今後、千年村プロジェクト手法の公開と参加方法について、さらに討議を経て公開していきます。

カテゴリー: Uncategorized | コメントをどうぞ

70年代前後のタウンマップの書きかけ ニコニコ堂主人・長嶋康郎さんから


ニコニコ堂店主、『ニコニコ通信』の作者・長嶋康郎さんから封書が来た。開封してみるととても貴重な記録なので、長嶋さんに連絡して公開の許可をもらいました。著作権は長嶋康郎さんです。無断使用は禁止。参考にしてください。

以下説明。

長嶋さんによると、68年ごろからいわゆるタウンマップを作ろうと思い立ち、新宿、渋谷、吉祥寺(長嶋さんの地元)と作ったのだという。吉祥寺のものは一部完成して発表されているが、長嶋さんらしく(失礼)、中断したものも多い。しかしながらその時代、どんな店があったかを知る貴重な資料であります。おそらくクリックすると大きくなると思う(クリックすると、フルサイズで見るリンクがあるのでそれで拡大できます)のでご確認ください。図版にそれぞれ簡単なキャプションをつけました。

長嶋康郎さん、こんな貴重なことやっていて、ありがとうございました。初田香成さんとか使ってくれるかしら。

カテゴリー: Publications, Uncategorized | コメントをどうぞ

建築史教育をどのようにするかという、シンポジウムに参加しました。


2016年6月17日香港中文大学の建築学部のシンポジウムに参加しました。参加する三週間前ぐらいに突然、招聘のオファーがありました。呼んでくれたのは、Prof. Stanという方。今はオーストラリアにいるジュリアン・ウォラルさんの紹介だということでした。

建築史、あるいは一般史の授業はつまらないという印象が一般的です。もう巷に溢れかえっています。しかし私が高校生の頃出会った西洋史を教えてくれた先生が、毎回命をかけるかのような臨場感あふれる講義(それもずっとローマ!)をしてくれて(実際体が悪く、その後お亡くなりになってしまったと聞きました)、大学に入った時もなぜか建築史の先生の話が妙に面白くて、居場所をようやく大学で見つけられた感じがしました。

というわけで建築史教育をどのように生き生きとしたものにするかというシンポジウムには是非参加したいと思って、初めてきちんと香港を訪問いたしました。

参加した方々は東アジア系各国からという感じでした。

schedule-for-symposium-16-17-june-xlsx1

当日のタイムテーブル

よく聞いてみると、香港、シンガポールなどでは教育専門、研究専門と別れていて、前者は本当に色々と客観的なシステムを構築していて驚きました。建築史専門の教育担当がいるなんて(彼らも個人的な研究はされておられるようです)。日本の現状だと両方なんとかやりくりするわけで、良いフィードバックもある反面、独善的にもなるという感じでしょうか。そういう意味で客観的な教育システムについてのディスカッションの存在は魅力的でした。

僕の方からは、大学で初めての建築史の授業となる西洋建築史の第一回目で必ず行う世界建築史ゲームと千年村でのワークショップを紹介しました。世界建築史ゲームは1999年の大阪市立大学での初教鞭以来、ずっとやっているものです。公式上は200名を越えた規模で、他の学科からの聴講もあり、他の発表にあった少人数での建築史教育カリキュラムとは大きく異なっていました。他の地域の人にも紹介できる機会は貴重だったのでプレゼンをさせていただきました。作品紹介を許可していただいた学生さんには感謝申し上げます。世界建築史ゲーム(The World Game of History of Architecture)のパートのみ公開してみます。(うまくいかなかったらすいません)

カテゴリー: Lectures, Uncategorized | コメントをどうぞ