『モダニスト再考[日本編]』書籍化なる


あの特集は書籍化しておいたほうがいいなと思うことがたまにあります。『建築文化』(1946年4月〜2004年12月)彰国社もいくつもの名特集を生み出してきました。2000年1月号の特集「日本モダニズムの30人 モダニスト再考II 国内編」もその一つです。同雑誌の晩期のなかでもとりわけ骨太の特集でした。あれからもう17年もたちますが、嬉しいことか悲しいことか、今でも全然古びず、基本文献の一つとして私の書棚に入っておりました。だいぶくたびれたなあと思っていたら、単行本化の知らせを聞き思わず頷きました。30人の対象を21人の論者が語ります。

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左が新刊、右が元の特集

彰国社えらいです。収録論考は

中村達太郎 亀裂の保存(中谷礼仁)/佐野利器 都市・テクノロジー・ナショナリズム(田所辰之助)/角南隆 技術官僚の神域 機能主義・地域主義と〈国魂神〉(青井哲人)/藤井厚二 藤井厚二という不安(丸山洋志)/今和次郎 ノート〜「日本の民家」を中心として(中谷)/アントニン・レーモンド 表現と表象(南泰裕)/村野藤吾 「社会的芸術」として構想されたもうひとつのモニュメンタリティの射程(矢代真己)/小山正和 日本的モダニズムの雑誌編集人(川嶋勝)/上野伊三郎 さまよえる建築工芸(奥佳弥)/石本喜久治 「建築美」、その転換という作為(本多昌明)/山田守 形態の誘惑ーあるいは禁欲的エロティシズム(濱嵜良実)/吉田五十八 本音と建前(岡崎乾二郎)/蔵田周忠 日本モダニズムの「水先案内人」(矢本敦)/森田慶一 IMITIATIO CORBVSIERI-分離派から古典主義へ(青井)/堀口捨己 「どうしようもないもの」の形容矛盾(田中純)/石原憲治 全体性を回復する回路をつなぐ「社会技術」という視座(矢代)/今井兼次 ドキュメンタリーのモダニズム(濱嵜)/伊藤正文 反転する純粋技術(笠原一人)/土浦亀城 迷いなく駆け抜けること(岡田哲史)/岸田日出刀 丹下健三を世に送り出した男(五十嵐太郎)/佐藤武夫 建築の政治性と記念性(田中禎彦)/山越邦彦 「建築 ルート・マイナス1建築→構築」という冒険(矢代)/坂倉準三 他者による建築はどこまで他者的であり得るか(南)/川喜田煉七郎 ユートピア-アヴァンギャルドの往還(梅宮弘光)/山口文象 「実践へ」(田所)/谷口吉郎 転向の射程(八束はじめ)/白井晟一 伝統のパラドックス(とーベン・バーンズ)/前川國男 木村産業研究所という出発点(松隈洋)/小坂秀雄 「体系」の刻印(田所)/丹下健三 神話的「日本」と「計画の王国」(八束)

今、対象と論者をタイピングして、このころの日本の建築文化、元気あったなあという感じがしました。中村達太郎、角南隆 …日本のモダニズムにとって核心の人物の一人ですが、決して一般向けではありません。それはわかりつつ、やはり出すべき人は出そうという、編集者と執筆者の意気込みが込められております。編集者はあの時も、いまも内野正樹さん(現エクリマージュ主宰)です。

  • 単行本(ソフトカバー): 424ページ
  • 出版社: 彰国社 (2017/2/28)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4395320864
  • ISBN-13: 978-4395320868
  • 発売日: 2017/2/28
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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、アーキオロジスト。早稲田大学建築史研究室所属、教授、千年村プロジェクト、日本生活学会、日本建築学会など。著書に『動く大地、住まいのかたち』、『セヴェラルネス+』など。
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