私はその日に喋ることをその場で構成立てて考えられるだろうか。__中川武先生最終講義(建築家原広司、思想家柄谷行人両氏参加)3月21日土曜日大隈講堂にて


早稲田大学建築学科・建築史研究を長い期間にわたって牽引されてきた中川武教授は、2015年3月31日をもって早稲田大学を退任いたします。

3月21日(土)に、『世界建築史をめぐって』と題して、最終講義・記念シンポジウムを開催いたします。

いろいろ広報してきましたので、私的に我が師への思いを書き付けてみたいと思います。

中川先生に会ったのは、私が大学三年生のこと。日本建築史という授業でした。教室に入るや否や、私たちのことを一顧だにせず、黒板にちょっとはすに構えて、その平面を眺めていました。30秒ほどしたでしょうか。突然、その日の講義の構成を書き始めました。まるでそれは私的な構想ノートのようでした。私は心底驚きました。ようは、その日喋るべきことを、その場で構築していく授業に初めて出会ったからです。

どちらかというと、建築学科の重いセンスに耐えきれなくて(フライング・リザーズとか好きだったので)、別の道を探していたのですが、このシーンを見て以来、早稲田大学建築学科に残りうることを知りました。

大変刺激的な授業で、日本建築のことが痛いようにわかりました。この痛いようにわかるというのが重要で、ああ、この人は生きているのだなあと思いました。ある日レポートが出ました。確か最後の期末レポートだったのですが、なんか書きたくなって原稿用紙20枚ほど、現在の建築状況についての憤慨を書きました。それから中川先生批判もしました。

赤鉛筆でコメントにこうありました。「ところで、君はどうするのか?」

いや、もうやられました。赤恥書いたなあと思っていたところ、中川研究室に呼ばれました。怒られるのを覚悟していくと、「君英語しゃべれますか?今度ビルマいくから一緒に行きますか?」大学三年生の頃でした。もちろんしゃべれませんでしたが「しゃべれます。行きます。」と伝えて、初めて建築的調査に参加いたしました。英語ができなかったのがすぐばれて、ちょっと怒られました。

その後迷うことなく中川武研究室に入室させていただき、ビルマで卒論を書き、近世・近代日本の建築思想で修論を書きました。幸いにも修士論文は『国学・明治・建築家』として刊行されました。刊行後、某先生に言われました。「中川先生はえらい。僕だったらあんなテーマだったら読まずに落としている。それを落とさずに信じてくれたんだから感謝しないとねえ。」というわけで、いろいろ大ひんしゅく(秘密)やご面倒をおかけしましたが、中川武先生からの影響は強く、いまだにレポートへのコメントは欠かさないようにしています。何が起こるかわからないことを身を以て実感したからです。

中川先生に教えてもらった大切なことのうちの一つを伝えます。

講演会に行ったら、必ず質問内容を考えて練習しておくように。挙手してもいいが、不意に当てられた時に、きちんと本質的な批判ができるかどうかが本当に大切。」なるほどー。処世術ではなく、その場にいることの意味をいつも考えておけということなんだと思います。色々教えてもらいました。そんな先生が敬愛する二人の先達である建築家原広司氏と思想家柄谷行人氏とをお招きできることは大変に光栄なことです。テーマはおそらく「世界」、この変な「国家」暴走の時代だからこそ、なお「いかに世界は可能か」を考えていけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。皆様の来場を心よりお待ち申し上げております。

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最終講義・記念シンポジウム『世界建築史をめぐって』概要

——建築は世界を語り、夢にまでいたる——

《世界建築史をめぐって》と題して、早稲田大学・中川武教授の最終講義・記念シンポジウムを行います。

師の幅広く緻密な開拓によって、日本、エジプト、アジアとたくさんの研究領域・成果が生まれ、育ちました。当日は建築を発見的に作り、語りつづけた先達、原広司・建築家・東京大学名誉教授をお招きし、関連講演をいただきます。

その後のシンポジウムでは、哲学者・柄谷行人先生をお迎えします。世界建築史を展開させ、建築の魅力と可能性を、次世代に伝えたいと思います。

●日 程:2015年3月21日(土)13:00〜17:40(開場12:30)

●参加費:無料

●定 員:約1,000名(申込不要/先着順)

●会 場:早稲田大学大隈記念講堂 大講堂

●アクセス:http://www.waseda.jp/top/access/waseda-campus

     東京メトロ東西線早稲田駅より徒歩約5分

     JR山手線高田馬場駅より徒歩約20分

●主な内容:

  ≪第1部≫

   13:00-13:30 世界建築史イントロダクション

   13:30-13:35 開催主旨(早稲田大学教授・中谷礼仁)

   13:35-14:35 記念講演「世界集落の発見」(東京大学名誉教授・原広司)

   14:35-16:05 最終講義「夢の世界建築史」(早稲田大学教授・中川武)

  ≪第2部≫

   16:20-17:40 シンポジウム「世界建築史をめぐって」

   (哲学者・柄谷行人、原広司、中川武)

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問合先

中川武教授最終講義実行委員会事務局(早稲田大学建築史研究室)

   〒169-8555 東京都新宿区大久保3丁目4-1

   西早稲田キャンパス 55号館N棟8階10号室

   TEL: 03-5286-3275 FAX: 03-3204-5486

   E-Mail: info@lah-waseda.jp WEB: http://www.lah-waseda.jp

詳細は

http://www.lah-waseda.jp/news/post/132.html

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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、早稲田大学建築史研究室所属、教授、日本荒れ地学会、日本生活学会、日本建築学会などなど。その正体はResercher of temporal architectural expression.
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