パタン・ランゲージを応用した2005年詩人の家ワークショップと、2012年三層の家建設(つづく)


私の活動の記録がクラッシュして以来、その続きをこのブログで行っています。クラッシュした以前の記録用ブログは半分復活状態で画像リンクなどがこわれた状態で残念です。その中でもとくに残念だなあと思う活動記録に、2005年に今は亡き近畿大学四谷アートスティディウムで行った詩人の家ワークショップがあります。今回その記録を読み直して、再掲するに値すると思いましたのでここに掲載します。リンクに貼られた特製パンフレットもご覧ください。ようはパタン・ランゲージを増補して実際家を建ててみましょうというワークショップでした。また一昨年に建てたクラ兼住居の三層の家にもかなり影響を与えていることを思ったしだいです(これについては後日追記します)。

まずは当時の記事の復元
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ガーデンパーティー終了後の記念写真です。

中谷礼仁ゼミメンバーによる、パタン・ランゲージ[*]を応用したギャラリー内小家屋の公開

~家をつくることは詩をつくることと似ている。
だれもが詩をつくり、だれもが家をつくることは可能か。
シークエンス・連想による家づくりの実験。
これまで 完全に誤解されていた「パタン・ランゲージ」を再解釈して援用。
その可能性の限界に挑む。詩の作成、イメージの描写、模型づくり、
そのほか建築ツアー、ランゲージの改訂作業を含む。
今回はその結果となった実寸の家づくりをギャラリー内に展示

中谷礼仁 | NORIHITO NAKATANI
歴史工学家 大阪市立大学建築史講師(当時)

■期間 : 2005年8月31日(水)-9月4日(日) 各日10:00-18:00
(最終日は、15時まで)

■企画 : 中谷礼仁短期集中ゼミ

■会場 / お問い合わせ :
GALLERY OBJECTIVE CORRELATIVE(四谷アート・ステュディウム1F)
〒160-0004 東京都新宿区四谷1-5(JR四ッ谷駅徒歩3分)
Tel : 03-3351-0591 Fax : 03-3353-7300 …2013年廃校

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家づくりのプロセス

1日目 イントロダクション パタンに関する映画鑑賞会
2日目 すぐれたパタンを持つ二つの住宅を見学
3,4日目 各自パタンの作成
5日目 問題の提示 問題の解決のための設計開始
6日目 パタンの統合 資材調達
7-9日目 家づくり

* クリストファー・アレクザンダー『パタン・ランゲージ(A Pattern Language)』(1977)=人間の環境活動にかかわるすぐれた類型(パタン)を、文章のようなリンク構造(ランゲージ)として提出し、それによって人間の空間(=家)をつくる試み。固定的な組み合わせによるデザイン論と安易に誤解されやすいが、実はきわめてアレゴリーにみちた構成言語。詩を作るように家をつくることそのもの。

それでは公開までの経緯をまとめた報告です。

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まずは今回の家造りに託された問題が書かれてあります。その内容は特製パンフレットをぜひごらんください。またこのパンフレットには、ワークショップ参加者が1週間の期間中に考えた18のパタン・ランゲージが書かれています。それら18のパタンをすべて無理なく連結させぎくしゃくせずに作ったのが今回の詩人の家とその周辺にあたります。

入口から見た家です。画廊唯一の開口部にはり付くように作ってあります。
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これがもとネタ。ワークショップ中に見学させていただいた山口文象自邸の立面。戦時中からずーと建築家自身の手によって改築されつづけた希有な家です。大きな屋根が偉大です。

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詩人の家に面する中庭の様子です。
これももとネタは、山口文象自邸の素晴らしい中庭。理解していれば模倣はオッケーです。メンバー全員がこの庭に惚れて、その本質をよく理解していたと思います。

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詩人の他にこの中庭に面する住人がでて何やら話し込んだり、ボーとしていますね。詩人の家は大きく言うと二畳の床の二棟構成でできています。左側が開放的な応接室、右側が詩人の書斎かなり閉鎖的です。真ん中に玄関があって、左右振り分けになっています。このもとネタは。。。
同じく山口文象先生の名作林芙美子邸のエントランス。右側が開放的応接室。左側が林の書斎とアトリエを含みます。繰り返して言いますが、このパタンのよさを理解できればマネすべきなのです。

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詩人の家の応接間です。良い雰囲気になりました。ポータブル蓄音機からはハワイアンが流れてきています。柱にはちょっとした小物置きの棚が作られています。骨格だけではなく、雰囲気まで作れていて、僕は少し感動しました。
山口邸にお邪魔した時と同じように、ざあざあぶりの雨が降ってきました。雨音を聴きつつ、新聞を眺める隣人さんです。

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さて、お次は書斎。お手本は林芙美子の書斎。この書斎、林芙美子がもと納戸を書斎にコンバートしてしまったらしいのですね。最初の書斎は書くには明るすぎたらしい。わかるわかる。そして右が詩人の家の書斎部分です。だんだんと低くなる天井(ガリバートンネル)の突き当たりにあります。何か執筆中らしいです。
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書斎からひっそりと中庭を除く壁。ちょっと性格の悪い顔をしています。
ガーデンパーティーの様子をひそやかに覗く詩人。
詩人は執筆中。最後の宿題の隣人についての詩を書いています。
隣には書生が。。。

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書斎の作りつけの机の横には、何やら扉があります。これが家の最後は何であるべきかについて検討しあったパタン「家の肛門」
真っ暗な部屋には備前焼の丸いお椀が逆さまにおいてあって真ん中に穴が開いていてホースがつないであります。ここに肛門を差しあてて家の中の最後、そして家の中にいる自分の最後の穴が、ホースを伝って外に開放されます。これによって家は環境との調節を保ちますとの発案者の弁。
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最終日はいろいろな人に来ていただいて、結構お褒めの言葉をいただきました。ありがとうございました。

ワークショップが過ぎると、夏が終わった感じがします。
避暑地であった友人と別れる時の爽やかさがありました。建築、そもそも家造りにはずぶの素人の面々でしたが、よい住宅を見て、これまでの体験も大切にして作り上げたこの家には、何よりも必要なたたずまいのよさがあったと思います。進行者としてとてもうれしかったです。
またひとつ経験を積んだと思います。

いいものをみれば、おのずといい道が開ける。
詩人になるには、よい建物に触れ、よい詩を朗読すること。(友人談)

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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、早稲田大学建築史研究室所属、教授、日本荒れ地学会、日本生活学会、日本建築学会などなど。その正体はResercher of temporal architectural expression.
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