磯崎新はいます


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・『磯崎新 Interviews』(LIXIL出版)を拝受しました。10年にもわたる日埜直彦さんのたゆまないインタビューがまとめられたものです。今はなき『10+1』連載当時から欠かさずチェックをしておりましたが、その後のインタビューも収録されて登場しました。編集力も凄まじい質量。もう一冊研究室用に購入しておきます。

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『建築雑誌』2014年9月号で特集「近代建築再読 ヴェネチア・ビエンナーレ」が公開されました。先の日埜さんも含めて今年の日本館展示についての読解が論議されています。私は紹介作品の選定と初期構想と各出品者の方への展示依頼役で参加しました。
・『新建築』2014年9月号の巻頭のEXHIBITIONに同日本館について紹介させていただきました。当方の狙いの解説としては一番まとまっていると思います。
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〜これら三つのたどり着いたものについてめぐった記憶は、「磯崎新」についていつも考えていたなあということです。
同館のピロティでは、石山友美監督による56分の中編映画 “Inside Architecture – A Challenge to Japanese Society”が上映されています。
70年代以降の日本建築の海外へ(またはその逆)の紹介において、一体どのような目的や具体的な動きがあったかを丁寧にヒアリングしたものです。
登場者、磯崎新、中村敏男、磯崎新、レム・コールハース、チャールズ・ジェンクス、ピーター・アイゼンマン、伊東豊雄、安藤忠雄ときわめて華やかです。インタビュアーの一人として参加していつも感じていたのは、磯崎新の存在がなにか別物であると言うことでした。
磯崎への愛を素直(というか熱烈)に語るアイゼンマン、逆にその暗闇をユーモアとともに指摘するジェンクス、そして伊東豊雄の独特な磯崎新への距離の取り方。やはり磯崎新を中心に〈日本-海外〉現代建築のイメージ戦略は回っていたのだなあと再認識していました。
と同時に、いつまでも残っていた疑問は、では磯崎新自身はどう思っていたのか、そもそも彼はどんな目的でコミッショナー的な立場に自らを置いたのかということです。あなたは誰なのか?という当方からの問いについて、もちろん映画には収録しきれない重要発言もあったのですが(重源の話など出たので、イタリア用では収録しきれないと判断されたからでしょう。もちろんそれについて不満はありません。石山監督いわく呼ばれたら上映しますとのこと。あ、早稲田でやればいいか!→11・19に早稲田大学と交流基金においてとり行います)。
『建築雑誌』の座談の中で、70年代を核としている展示なのに、磯崎新が登場していない不自然さを指摘されていましたが、このように日本の20世紀終盤の批判的可能性をささえた人物としての評価は変わりません。ぜひ映画をごらんください。
〜話を変えます。同座談会の植田実さんの言葉を引用します。
国際的なハレの場でこういうマニアックな展示なんて、他の国は思い付いてもやらないでしょうね。50年ぐらいして、子どもの時にこの展示を見たことが忘れられなくて、という人が日本人以外に出てきたら面白いね
ええ、面白いです。そしてすばらしいです。そのようになることを信じてやみません。信じてなかったらやりません。
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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、アーキオロジスト。早稲田大学建築史研究室所属、教授、千年村プロジェクト、日本生活学会、日本建築学会など。著書に『動く大地、住まいのかたち』、『セヴェラルネス+』など。
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