金井ご姉妹『目白雑録5 小さいもの、大きいこと』のこと


mejiro5

〜昔わずかに存じ上げていた金井美重子さんのアドレスにご連絡をしたら、帰ってきてしまった。届かなかったようだ。別にプライベートなことを書いているわけでもなく、この書物がしぶとく売れることを祈念してブログにてお礼を述べることにいたしました。〜

前略

ご無沙汰しております。
お元気でしょうか。
さて少し時間が経ってしまいましたが、
お送りいただいた『目白雑録5 小さいもの、大きいこと』を拝読させていただきました(実はすぐ拝読させていただき、うなってばかりおりました)。

2011年3月11日に、私は東京の日本建築学会と言う大きな学会が所有する建築会館という建物の中で被災しました。
窓の向こうのペンシルビルがうなりしなりしていたのに、学会所有の建物はいかにも頑丈で、いやさすがだと思っておりました。すぐさま震源の連発を想起させる揺れがあり、これは変だと思っていたところ、隣にいた防災学の先生が、これは困ったとつぶやいていたのを思い出します。

いずれにせよあの日以降、私は自分を状況から試されるように、娘を連れて岡山にあてどなく滞在したり、日本赤十字社に滞在先から相応の金を振り込んでしまったり、まあとにかく被災者になるとはこういうものかと思いました。当時、東京に住んでいた人で自分が被災者と感じた人は多いと思っていたのですが、そういう立場からの発言はその後あまり多く見かけなくなったような気がします。私は、仕事を再開するために東京に戻ってきた際に、「あーめんどくさ」という感情を抱いたことだけは今でも大切にしています。

つい書きすぎました。最近の狂想めいた迷言の数々が収録されたまさにこの緻密な「雑録」は、私には震撼でした。読みながら他人事ながらその情けなさに身を隠してしまいたくなったり、いくぶん救われたりと、複雑な味わい。お送りいただいたこと感謝いたします。また「セヴェラルネス」に収録したモホークインディアンのリチャード・オークスを的確な手さばきで扱っていただいたことに感謝します。そのあと、あとがきで恥ずかしくなりましたが。

そういえば、最近Sさんとお会いすることがあり、金井美恵子、久美子姉妹の話で持ちきりになりました。何やら個展でお会いしたとのこと。
そろそろ目白にご挨拶にお伺いせねばならない時期かと思っております。
迷いごと、雑な日々が続いております。

末筆ながら、お身体ご自愛ください。 草々

金井美恵子様 久美子様

2013年10月20日

中谷礼仁

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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、早稲田大学建築史研究室所属、教授、日本荒れ地学会、日本生活学会、日本建築学会などなど。その正体はResercher of temporal architectural expression.
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