いま、広島市現代美術館にて開催されている展覧会『路上と観察をめぐる表現史–考現学以後』に関連する書籍に小論を寄稿しました。
考現学とは、「現在」を「考」える「学問」と文字どおり思われている節があります。そんなことはありませんよという内容なので、「考現学の条件」というタイトルにしました。
当方が青年の頃、好きだった、遺留品研究所、アーバンフロッタージュ、路上観察学会、トマソン、VOW(あ、これは入っていなかった)などの興味深い資料がつめこまれていてとてもいい本です。
しかしもう解説者ではなくて、紹介される人になりたいと、紹介されている「メイド・イン・トーキョー」の塚本さんに毒づきました。千年村運動はこの延長線上にもある貴重な運動にするつもりです。
書誌情報:中谷礼仁「考現学の条件」p.20-21,『路上と観察をめぐる表現史 考現学の「現在」』フィルムアート社2013年1月25日発行
あ、それから紹介します。『今和次郎「日本の民家」再訪』を行った瀝青会の二人が参加した書籍。
『今和次郎と考現学 暮らしの”今”をとらえた〈目〉と〈手〉』河出書房新社2013年1月20日発行です。二人とは民家研究者で和歌山県教育委員会勤務の御船達雄さんと民俗学・京都大学人文科学研究所在籍の菊地曉さんです。今和次郎ではなくむしろ瀝青会の様子が紹介されていて、うれしかったりするのでした。