シラバス作成中 大学院授業建築表現特論のみ公開


普段大学でおこなっているシラバスは外部ではなかなか見れないのですが、来年度(2012年度4月から)のシラバスのひとつを公開します。大学院の講義のひとつ「建築表現特論」です。

学部の情報提供型講義から一転、教員側も学生側も発表し、コメントをお互いに忌憚なくもらうというフィードバック型授業です。アンケートでも好評で、学生発表の重要性を感じます。というか学生も、教員側の仕込みの大変さを知ってほしいw。先取り履修も、動機確認の上、許可しますので、議論の楽しみを体験したい学部生でも履修可能です。

—シラバス情報—
授業概要
歴史とは少なくとも二つ以上の事象の間に発生する想像的な時空のことである。だからそこには具体的な事物が存在していなければならないし、と同時にそれにかかわる人間がいなくては存在しない。そして歴史とは何よりもまず人間生活を成り立たせている「時間」を、調律するものだといえよう。
このように歴史を考えた時、私たちは過去にあったもの、今あるもの、今作られているもの、ここにあるもの、あそこにあるもの、あるかもしれないもの、そんな様々なものに思いをめぐらせ、そこに介入し、自らが歴史的過程に参画することができるのである。
本講義ではその参画の方法を、古今東西、有名無名を問わず提示し、それについて論じ、未来のための指針となりうるような情報を与えることを目的とする。

授業計画
*二つのフェーズに分かれる
●フェーズ1.セヴェラルな概念の読解と探究
教科書を『セヴェラルネス+ 事物連鎖と都市・建築・人間』とする。各章解説を基本にしつつ、そこに込められた課題について検討し、解決の道を探る方法をとる。それゆえ、
・予習(全員)…次回の章(全7章)を必ず読み、前日(時間厳守)までに教員への質問や問題提起への応答をコースナビにて提出する。なおこれらは履修学生には公開されることを前提とする。
・授業…それらに基づき教員が論点を紹介し、テキスト解説ならびにイメージプレゼンテーションを行う。
・ディスカッションと理解…疑問点については忌憚なく問いかけること。それを起点にさらに考察を深め、高度な知見に達したい。

●フェーズ2. 建築の歴史的参画を考察するための書物についてのグループ発表
・発表…フェーズ1に関連して、建築の歴史的参画を検討する上での基本的図書について、学生を主体としたグループ発表を授業中に行い、教師を含め参加者全体でディスカッション、評価する。
・復習(レビュー)…当日のグループ発表に関するレビューを次の日までにコースナビにて提出する。
発表日程は、学生の理解度や必要性に応じてフェーズ1と組み合わせて行なわれる可能性がある。
今年度の書籍候補は以下の通りである。
1)クリストファー・アレギザンダー「形の合成に関するノート」鹿島出版会
2)同「都市はツリーではない」(教員所蔵のものを貸与)
3)アルド・ロッシ「都市の建築」大龍堂書店
4)レム・クールハース「錯乱のニューヨーク」ちくま学芸文庫
5)コーリン・ロウ「マニエリスムと近代建築」
そのほか学生グループ側の提案も可とする。最新刊等の共有すべき書籍の紹介も歓迎する。

日程
フェーズ1
第1回 ガイダンス 授業の目的、方法、評価について
第2回 夜の桂離宮
第3回 ペリカン島戦記
第4回 弱い技術について
第5回 ピラネージとローマの復原
第6回 セミラチスはツリーを複数含む
第7回 土地の名前・アレゴリー・パタンランゲージ
第8回 セヴェラルネス 事物連鎖のメカニズム
*教科書第8章「先行形態論」については建築先端学論Bにておこなう。
フェーズ2
第9回 参考文献の読解と学生発表1(2, 3グループを予定)
第10回 参考文献の読解と学生発表2(同)
第11回 参考文献の読解と学生発表3(同)
第12回 参考文献の読解と学生発表4(同)
第13回 参考文献の読解と学生発表5(同)
第14回 参考文献の読解と学生発表6(同)
第15回 (日程別途指示)授業理解の確認を行う。授業全体のレビューをコースナビにて提出する。
今年度はゲストスピーカーに日埜直彦氏を迎える予定である(一回)。

成績評価方法
レポート(学生発表):100%
・予習、復習(レビュー)、授業全体のレビュー=最大40ポイント、提出回数に応じて決定する。
・授業中グループ発表とディスカッション=最大60ポイント、(1)課題図書が意図したテーマ、内容への理解度、(2)授業との関連に即した具体的な問題提起、発表内容の独自性に応じて決定

総計100ポイント

関連URL:
http://d.hatena.ne.jp/ta-nakasemi/

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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、アーキオロジスト。早稲田大学建築史研究室所属、教授、千年村プロジェクト、日本生活学会、日本建築学会など。著書に『動く大地、住まいのかたち』、『セヴェラルネス+』など。
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