30代の地道な成果がようやく出版 中村達太郎著『日本建築辞彙〔新訂〕』中央公論美術出版


中村達太郎 日本建築辞彙〔新訂〕 中央公論美術出版から

大変長い道のりでした。現代では考えられないこの長い編集期間の記録は、源愛日児先生が巻末の「編集後記二」でまとめられています。

出版会社の内容紹介はごくあっさりこんな感じです。「東京大学教授・中村達太郎(1860-1942)が単独で編纂し、約4000語を収録し、以後の古建築用語辞典のほとんどの淵源であり、歴史学的辞書として、また民俗学的実用辞典として使用されてきた、学界の一大文化遺産である名著の新訂決定版。五十音順に並び替え、多くの註を付した。」

その作業が完結するまでおよそ30年。3人の先人が鬼籍にはいられました。2011年10月25日に発行された本ですが、編者代表は太田博太郎(〜2007)、稲垣栄三(〜2001)となっています。私は特に木割、規矩術の項の説明、巻末図版について担当しました。註が註を生み、実際に反映されたものは半分にも満ちませんが、その方がシンプルでいいと思っています。何たって生きている辞書なのですから。場所を貸してくれた田中文男も2010年に逝去しました。僕にとっては地味なことを続けて基礎体力をつけようとした30代の記録です。本当にご指導ありがとうございました。

日本建築関係の特に現場の方には朗報だと思います。これでぼろぼろのコピー本を持つことがなくなりました。

著者の中村達太郎についての拙論がありますので、リンクはっておきます。

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rhenin について

中谷礼仁(なかたに のりひと)歴史工学、早稲田大学建築史研究室所属、教授、日本荒れ地学会、日本生活学会、日本建築学会などなど。その正体はResercher of temporal architectural expression.
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